1945年生まれ、東京都出身。1968年慶応義塾大学経済学部卒。同年三井銀行に入行したのち1973年義父から両備運輸の再建を依頼され入社。2007年に両備ホールディングスの社長に就任した。現在、両備グループ会社のうち大半の社長を務めている。

地方公共交通の救世主といわれる小嶋光信氏。和歌山電鐵や広島の中国バスの経営再建に着手し、その補金制度のあり方や運営方式を、法改正も含めて再生のモデルケースとするべく奮闘中だ。そんな彼が代表を務める「両備タクシーグループ」は岡山で高いシェアを誇り、サービス面、安全面ともに住民から高い支持を得ているタクシー会社だ。通常のタクシー以外にも、女性ドライバーだけで構成される「両備グレースタクシー」を新設するなど、小嶋氏のユーザーに対するサービス精神の高さが伺える。加えて両備グレースタクシーでは、今年の八月から“まごころタクシー便”という買物を代行する新しいサービスをスタートした。「まごころタクシー便は病気やケガなどで、外出が困難な方のためにスタートしました。慈善活動というわけではなく、タクシー事業としても待機時間の有効活用につながる上、その地域密着性から、お客様に安心してご利用いただけるという利点があるんです。」と小嶋氏は語る。一過性のボランティアではなく、ビジネスとして成り立たせることで継続可能な事業となっている。まさに、公共交通を知り尽くした小嶋氏らしいアイディアだ。タクシー事業の新しい在り方を提唱する小嶋氏。いずれは、日本一の安全とサービスを提供できるタクシー会社になりたいのだという。