1968年生まれ、倉敷市出身。岡山県立児島高等学校を卒業後ジーンズ洗い加工会社で4年勤務し経験を積む。その後22歳から家業のジーンズ仕上げ・加工会社で修行し、2003年に美東(有)を設立。2011年には「児島ジーンズストリート」にデニムを使った様々なアイテムを販売する「JEANZOO」をオープンするなど積極的な取り組みで児島を盛り上げている。

国産ジーンズ発祥の地児島でデニム加工を手掛け、クオリティの高い加工技術と独創的な表現力で世界的に注目を集める『美東』。同社代表の新谷順一氏は、国内はもとより海外の有名アパレルブランドのジーンズを中心に高い技術力で他の加工業者を引き離し、多くの受注を獲得している。そしてその技術力が認められ、デニム作りにおいて国内最高峰といわれるクラフトマンシップが集いスタートした『クロ』というメイドインジャパンのデニムブランドへ加工担当として参加。『クロ』はデビューして間もなくヨーロッパを初めとした展示会で注目を集め、美東はその加工技術で同ブランドの成功にも大きく貢献している。 そんな美東の特長は加工技術の高さだけでは無い。若い従業員が商品企画に携わる環境を整備することで様々なアイデアを商品や加工法に取り入れ、キャラクターとのコラボやデニムをあしらった金属アクセサリーの商品化などステレオタイプにとらわれない発想で業界をリードしているのだ。またその他にも地元企業や商工会議所などが協力して町おこしを進める味野商店街『児島ジーンズストリート』にデニムを用いたオリジナル商品やお土産などを販売する『ジーンズー』を今年八月にオープンし、児島の活性化と観光客誘致にも寄与している。「デニムだけにとらわれない新しい発想で物を作り上げていく人材を育てていきたい」と語る新谷氏は、企業秘密ともいえる現場をオープンに公開し、ファッションの道を志す学生への見学受け入れや加工機械を貸し出してジーンズ制作をサポートするなど後進の育成にも取り組んでいる。 「技術を活かした表現力で新しい価値を提供していくことが重要」新谷氏は、その思いでデニムの更なる可能性へ向けてこれからも果敢に挑戦していく。