1966年生まれ、福岡県出身。1990年に弘前大学医学部を卒業。2001年米国留学中、自分の組織を治せる能力のある幹細胞を発見。2002年ベイラー医科大学助手を経て、京都大学病院准教授、岡山大学病院准教授に就任し、研究を続ける。2012年、その研究が評価され文部科学大臣科学技術賞を受賞。

約一万に一人。心臓に何らかの問題をもって生まれてくる子どもの数である。心臓移植しか助かる術はない重篤の心臓疾患に、この春新たな光が射した。2001年、王教授は心臓の中に自分の組織を治せる能力を持つ幹細胞があることを発見。十年でその大量培養法を開発し、心不全死を回避する大きな治療効果を上げた。また、動物の心臓から人の心臓をつくる研究など、柔軟な発想とひたむきな努力で、患者を救うという目標に向かう王英正氏。彼の手によって心臓疾患病の未来は大きく変わるかもしれない。