1986年生まれ、総社市出身。中学3年生からボクシングを始め、岡山関西高校在学中に国体準優勝。駒澤大学に進学し、2004年彩の国まごころ国体、2007年全日本選手権、秋田わか杉国体で優勝。この間、世界ボクシング選手権へ2度出場。2008年北京オリンピック出場。2012年ロンドンオリンピックにおいてバンダム級銅メダルに輝く。同年、岡山県県民栄誉賞、総社市市民栄誉賞など。

「プロのチャンピオンベルトよりこのメダルの方が自分にとっては何倍も価値がある。」北京五輪で初戦敗退という苦渋を味わった清水選手は、その悔しさをバネに、ひたすら「メダル獲得」だけに重きを置いてやってきた。それにはアマチュアボクシングへの拘りも大きな原動力となっている。同じボクシングと言えど、プロとはルールも質も全く違う。プロの場合、テストで合格し世界戦に勝てばチャンピオン。アマチュアの場合はトーナメントを勝ち進むしかない。負ければそこで終わり、どんな選手がきても勝たなければいけない。プロ転向を勧められ、破格の契約金を提示されたことも、世界戦を組むと言われたこともあるが、「アマチュアボクシングを極め、世界の舞台オリンピックでメダルを穫る」ということが彼にとってはこの上なく難しいことであり、だからこそやり遂げたいことだった。巧みなフットワークと長いリーチを生かした長身サウスポーは、このオリンピックで見事な結果を残した。2回戦では相手選手が6度も倒れながら審判が一度もカウントをとらないという疑惑の判定もあったが、抗議した結果、判定は覆り清水選手の勝利。ベスト8進出を果たす。準決勝では破れたものの、銅メダル獲得という快挙を達成。その勇姿は日本国民の心と歴史に刻まれた。これからは自分が現役を続行するしないに関わらず、アマチュアボクシング界の後進育成に力を入れていきたいと語る清水選手。彼の気概に溢れた挑戦と活躍は、アマチュアボクシング界に明るい未来を拓く一端となっている。