高校卒業後に一般企業へ就職。退社した後、茶の製造や販売を学ぶ。平成22年備前市吉永町にて「引両紋」を創業。全国の百貨店にも商品を展開している。日本茶講座の講師として国内のみならず海外でも活躍中。

27歳という若さで自社ブランド『引両紋』を全国に認知させ商品を有名百貨店で展開。さらに日本茶講座の講師として国内のみならず海外でも活躍する起業家、青山雅史氏。平成22年に創業した「引両紋」の代表取締役を務める彼は、業界の未来を見据え、新たなお茶文化と価値観を創るという気概をもって走り続けている。茶摘みをする祖母の影響で幼い頃から日本茶に興味を抱いていた。高校卒業後、紳士服の会社に就職し社会人として経験を積んだ後、お茶の製造や販売を学ぶため、全国の産地や生産者のもとを訪ねて勉強を重ねる。そのとき感じたのは、静岡や鹿児島など有名な産地が全国に定着しているなかで岡山が台頭していくには、単に産地や味をアピールするだけの勝負は難しいということ。「◯○茶」というように産地のブランドに頼るのでは、マイナーな産地は生き残れない。全く違うフィールドに立たなくては、と考えたのだ。その考えから誕生したのが、自社栽培したお茶に桃や桃太郎ブドウといった岡山県産フルーツをブレンドしたフレーバーティーだった。東京ギフトショーに出品したのをきっかけにメディアから注目され、引両紋の認知度は爆発的に高まった。「日本茶が好きな人とフレーバーティーが好きな人は、それぞれ別々に存在していました。その両方に受け入れられる、今までにないものを作りたいと思ったんです。」この青山さんの発想から生まれた商品が、今や全国の百貨店で取り扱われるまでになっている。「昔に比べるとお茶の消費量は減り、生産量も半減しているのが現状。昔は良かったと嘆くだけでなく、今だからこそ受け入れられるものを作りたいと思います。湯のみや茶托を当たり前に使っていた時代から、ティーバッグが普及しマグカップでお茶を飲むようになった現代。先人たちが積み上げてきた日本茶の文化を否定するのではなく、時代とニーズに合う新しい提案をしていきたい。」と語る青山さん。地元の銘菓、廣榮堂とコラボレーションした商品を作り、土地の味としてお茶を全国に発信するという取組みも行っている。また、今年秋から中四国を中心にドラッグストアザグザグ全店で新商品を展開。流通や資材など様々なコストを削減し、品質を損なうことなく低価格化を実現している。さらに、日本のみならずスペインで日本茶のデモンストレーションを行い、日本茶講座の講師として世界を舞台にお茶の普及にも力を注ぐなど、従来のやり方に捕われるのではなく、企画力とアイデアで常に新しい可能性を探る青山さん。彼の挑戦はお茶の世界に新風を吹き込み、新たな価値観を生み出していく。