1954年生まれ、岡山県岡山市出身。「はむら」料理人。東岡山商業高校卒。5年間の料理修行の後、1955年岡山で日本料理店「ひな市」を開店。その後「はむら」に店名を変え現在4店舗を展開する。「岡山にはむら有り」と謳われる県内屈指の料理人として活躍中。

岡山を代表する日本料理店「はむら」。料理はもちろん、空間や器、しつらえに至るまで一切の妥協を許さない羽村敏哉氏の仕事に対する姿勢は、若手料理人にとって何よりの刺激となっている。また、彼の料理を味わうために県外から訪れる客も多く、「岡山にはむらあり」と謳われるほどだ。そんな羽村氏が二五年前の開店以来続けていることがある。それは、女性向けの料理教室である。元々、日本料理店は比較的男性が利用する場所という風潮があり、現在のように女性が食事を楽しむ場所ではなかった。そこで日本料理のファン層を広げるために、まずはその魅力を知ってもらおうと教室を開講したそうだ。また、岡山のイタリアンシェフやバーテンダーとコラボしてコース料理を作るなど、ジャンルを越えた新しい料理のカタチを発信する羽村氏。今までにない取り組みが料理の可能性を広げ、飲食業界の盛り上げに繋がっているという声も挙がっている。「自分の店のことばかり考えるのではなくて、どうすれば飲食業界が元気になるのか。不景気で厳しい今だからこそ、そういった想いを持って新しいことに取り組む必要があるのだと思います。」という羽村氏。業界全体を見据えた彼の料理に対する情熱が、岡山に新しい料理文化を生み出してくれるのかもしれない。