1955年生まれ、岡山市出身。1981年に(株)フォルム設計に入社し、企画室長などを経て2004年に代表取締役に就任。同年、岡山市まちづくり賞建築部門賞、2005年には岡山市まちづくり賞まちづくり部門賞を受賞する。

フォルム設計が設立された一九八〇年当時、岡山では設計事務所の仕事は公共建築や医療建築、社屋ビルなどが主流で、住宅といえば工務店やハウスメーカーに頼むものだった。そんな時代から「生活の質を高めるような住空間を提案したい。」との想いで住宅設計に力を入れてきた森原通仁氏。敷居が高いと思われがちな設計事務所へ人々が一歩踏み出すきっかけを作るため、設立直後から住宅作品展の開催やショールームの開設などの活動を積極的に行ってきた。そして現在、同社が手掛ける北欧デザインを中心にした質感溢れる住宅の数は四百を越えた。「住宅建築に注力し、三十年間実績を積み重ねて得た提案力を次世代のスタッフが受け継いでいって欲しいですね。」と森原氏は言う。住宅設計のパイオニアと位置づけられるフォルム設計のアクションに、今後も注目したい。