1951年生まれ、新庄村出身。新庄村長。1976年金沢大学法文学部卒。新庄村役場勤務を経て、2006年新庄村長選挙に初当選。新庄村は人口約1000人と県内最小規模の自治体でありながら昨年、日本で最も美しい村のひとつに選ばれた。

鳥取県との県境、岡山県でも最北部に位置する「新庄村」。人口は約千人ほどのこの村が昨年、美しい村連合の定める「日本で最も美しい村」のひとつに選ばれた。春には桜が咲き誇る「がいせん桜通り」、毛無山のブナ林が形成する「自然度の高さ」が特に評価されての選出だ。そして、選考委員会の評価で印象的だったのが「新庄村には明るい開放感があり、今後の成長に期待できる」という言葉だった。高齢化率は約四割に上り、少子化や人口の減少が村をあげての課題になっている今でも、村民は決して下を向かない。平成の大合併の際も他の自治体と合併せず、あくまで新庄村としてのアイデンティティを追求することを選んだのは、村民がこの美しい村に大きな愛情を注いできたからだ。笹野寛村長は特産のもち米「ひめのもち」を全面に押し出し、村民の雇用確保を図る策に打って出た。原料としてのもち米出荷ではなく、加工して特産品に仕上げることで村に仕事が生まれ、出荷の単価を上げることが出来る。現在「ひめのもち」は県内の大手百貨店やスーパーで取り扱われており、売れ行きも好調だ。笹野村長は「日本には村というコミュニティが絶対に必要。村に住みたいと思う人が日本中から集まって来るような日本一素敵な村にしたい」と明るく笑う。