1972年生まれ、美作市出身。Qualitea美作の製造責任者。1990年江見商業高校卒。1992年に静岡県にある大塚製茶に住み込みで働き、茶作りを学ぶ。その後帰岡し家業の茶農家を継ぐ。2001年に最新の製茶機械を導入し、Qualitea美作を創立。
美作市海田地区は知る人ぞ知る、岡山茶の産地だ。しかし、多くの農業種と同じく、海田地区の茶農家も高齢化が進み、跡継ぎ不足が深刻な問題になっている。そんななか、茶農家の三代目として下山桂次郎氏が運営する「Qualitea美作」への注目度は高い。それは、若くして岡山県茶品評会四冠を総なめにするなど、岡山県ナンバーワンの評価を得ているからだ。下山氏は二十歳でお茶作りの道に進む事を決め、お茶の本場静岡で最新の栽培技術や加工技術を学んだ。全国からの需要が高い静岡茶は大量生産のため、効率的な製茶システムを実現させていた。また、先進地のインパクトを重視した味の傾向や徹底した栽培管理を目にするなど下山氏が地元岡山で製茶するにあたっての課題も見つけた。下山氏が作りあげる「Qualitea美作」のお茶は、一言に優しい。それは、出来る限り自然に任せて丁寧に丁寧に育てていくからだろう。それでも、もっと美味しいお茶を作りたいと、毎年春になると県外の茶農家のところに勉強に行く。その貪欲な姿勢が情熱の証だ。「海田のお茶ではなく、下山のお茶を飲みたいと思ってもらえるように、自分の信じるお茶作りを貫きたい」と彼は言う。そんな、下山氏のような存在が海田の新しい歴史を作っていくのだろう。