1984年生まれ、新見市出身。岡山県立新見北高校を卒業後、自動車整備会社と土木作業関連会社での勤務を経て、2006年より新見漁業協同組合の養殖事業に参加。現在はチョウザメの養殖責任者として従事し、新見の新たな特産品となった「新見産フレッシュキャビア」の販売に大きく貢献している。

「新見に新たな特産品を生み出す!」と新見漁業協同組合で二〇〇〇年からスタートしたチョウザメの養殖事業。現在その事業の責任者として二十七歳の若さで業務を一手に担うのが福本信行氏だ。新見の活性化に繋がる仕事に携わりたいとの思いから前職を退職した後、二〇〇六年から同職員としてチョウザメ養殖に参加。先代場長からの指導と自身の独学によりチョウザメ養殖について研鑽を積んだ。「チョウザメは個体として決して弱くはないが、神経質で水質の変化などに気を配らなければならず、苦労も多かった」と語る福本氏だが、その努力を積み重ねた結果、今ではチョウザメを安定的に供給できるまでに事業を成長させている。 漁協ではこれまで、卵を持つチョウザメ丸々一尾をホテルや高級レストランなどに卸す形で販売していたが、組合内で世界三大珍味であるキャビアの独自商品化の話が持ち上がった。福本氏はチョウザメの養殖責任者として商品化に向けて取り組み、試行錯誤を重ねた末、遂に今年二月東京伊勢丹での販売にこぎ着けたのだ。通常、海外から輸入されるキャビアは商品保存の観点から高い塩分濃度で作られるが、新見産キャビアは国内で加工出荷できるため、塩分濃度を半分程度に抑えることが可能。卵本来の独特な風味を楽しむことのできる『新見フレッシュキャビア』は、販売がスタートしてすぐに完売するなど人気商品となっている。若くして新見の特産品創出に関わる福本氏は、地域の活性化事業を担う一人として同事業を牽引。そして今後も新見フレッシュキャビアの安定供給に向けた努力を継続し、養殖技術と生産性を高めていくことで『新見ブランド』を確立していきたいと更なる事業成長を目標に掲げる。