1970年生まれ、倉敷市出身。幼少の頃からデニムに慣れ親しんで育ち、高校卒業後、大手デニム加工メーカーに就職。他数社で経験を積んだ後、2007年にWHOVALを独立開業。2010年に株式会社を設立。今年9月、東京にセレクトショップ「The Governor Store」をオープンするなど成長を遂げている。

加工の中でも、デニムの表情を決める最も重要な工程と言える「洗い」。フーヴァルは、その洗工技術に高い評価が集まり、人気ブランドや百貨店のオリジナルなど約二百ブランドのデニム加工を手掛ける会社だ。「とにかくデニムが好きで、自分が良いと思うものを世に出していきたかった」という思いで立ち上げた会社は、今やスタッフ 名以上を抱える規模に成長。在り物を見本としてお客に見せる会社が多い中、作り込んだサンプルを見せて提案し、手が込んだ時間のかかる要求にも応えてくれる。技術はもとよりその提案力と情熱に多くの支持が集まっているのだ。生産だけにとどまらず、今秋、東京にセレクトショップ「ザ・ガバナーストア」をオープンしたフーヴァル。将来的にはオリジナルを展開し、ファクトリーブランドとして世界に発信していくことが目標だ。デニムのメッカとして、世界的に名高い児島だが、高い加工技術を持つ職人の高齢化が進む一方で後継者の不足、不況による生産加工工場の減少といった現実もある。石橋氏は児島を「ここに来れば個性と技術をもった工場がある」そんな土地にしていきたいと語る。「僕が小さい頃は町のどこを歩いてもミシンの音がした。自分たちファクトリーが頑張って、もっと多くの仕事を持って帰り地元に貢献したい。」その熱い情熱と職人魂を胸に、フーヴァルは自分たちが「カッコいい」と信じる加工を追求し、世界に誇る岡山ブランド、児島産デニムの価値を高め続けていく。