美作市地域おこし協力隊2代目隊長。1975年生まれ、愛知県岩倉市出身。北海道大学卒業後、鈴与㈱で港の現場荷役業務を担当。退社後、名古屋大学で環境エネルギーについて学び、環境エネルギー政策研究所に入所。備前市のプロジェクトへ参加し、2011年以降美作市地域おこし協力隊2代目隊長として活動を続けている。

美作市上山に広がる美しい棚田。井筒耕平氏はここで美作市地域おこし協力隊として活動している。元々自然と遊ぶのが大好きだったという井筒氏。港で荷役監督の仕事に就き、トレーラーから出る排ガスを浴びるという日常の中、このような経済活動が自然破壊に繋がっているのではと疑問を感じ始める。その経験から、自然保護だけに留まらず、社会を作り替えたいと考えるように。「このままサラリーマンとして一生を終えたくない」との思いから会社を辞めて、名古屋大学で環境学を学んだ。卒業後は環境エネルギー政策研究所に入所し、備前市のプロジェクトへ参加。山村地域の実態に触れた際、田舎には雄大な自然という資源があるのにそれを活かせず、エネルギーも経済活動も外部からの供給に頼っていることを痛感したという。「ここから変えていかないと、と思い上山に来ました。地域に住み、生活する中で学んだことを政策にフィードバックしていくことが重要。小さなコミュニティが物理的にも経済的にも自立できる仕組みをつくりたい。」と彼は語る。 地域に人を呼び込み、コミュニティの場として活用する「いちょう庵」というカフェを経営したり、棚田で作った米をブランド化し百貨店で販売するなど、様々な手法を用い活動する美作市地域おこし協力隊。持続可能な社会をつくるという井筒氏の目標は、どこまでも壮大でありながら、地に足をつけ、その歩みを進めている。