湯原温泉八景 女将。1963年生まれ、大阪府大阪市出身。1987年から湯原グランドホテルに総務として勤務、1996年八景と名を変え女将に就任。湯原温泉シャクナゲ会会長、美作三湯華の会副会長、湯原っしい実行委員会委員長を務めるなど積極的な地域貢献を行っている。生き活き岡山推進賞、観光事業功労者表彰も受賞。

始めは乗り気ではなかったという、旅館業。西の横綱、湯原温泉砂湯を臨む旅館八景の女将、上塩浩子氏は意外な言葉を口にした。八景の始まりは、不動産業を営んでいた父親が倒産した旅館を買い取ったこと。父の頼みで経営を一任された彼女は、旧湯原グランドホテルに総務として勤務し、1996年八景の女将に就任した。元々興味も経験もなかった旅館業だったが、お客様やスタッフとの繋がりが深まり、旅館と湯原に懸ける想いが大きくなっていくにつれ、女将を楽しもうという前向きな気持ちに変わっていった。自然と調和したインテリアや従業員の温かい心配り、そして八景の真骨頂とも言える素晴らしい食事。1度は倒産した宿を見事立て直し、今や岡山屈指のリピーター率を誇り、湯原を代表する旅館の1つとなっている。 また上塩氏は、湯原地域の女将で構成された湯原温泉シャクナゲ会会長として地域福祉の活動にも積極的に取組むと同時に、地元活性化を目的とした「湯原っしい実行委員会」を発足するなど、地域や岡山観光業界のための活動も精力的に行っている。「お客様と共に年を重ね、思い出話に花を咲かせられるよう、今を精一杯頑張りたい。旅館は幸福産業。人が旅に望むワクワクする気持ちを永く大切に考えお客様と向き合っていきたい。」と女将は語る。その情熱でこれからも訪れる人をおもてなしの精神で包んでくれるだろう。