ロンドン、パリなどヨーロッパの建築事務所などでデザイナーとしての経験を積む。帰国後は約5年間教育活動を中心に活動した後、2014年にイノベーション・スタジオ・オカヤマを設立。

夢は、「自律する建築、自律するまち」を創造すること。イノベーション・スタジオ・オカヤマの代表であり建築デザイナーである毛利真也氏は、自身の夢をそう語った。中学生の頃から建築家を志していた彼は、17歳のときノルウェーに1年間ホームステイ。木の国といわれる和歌山に育ち、同じように自然と共生するノルウェーの生活を肌で感じたことが、現在の毛利さんのルーツになっている。大学の建築科を卒業後、実務の世界へ。設計事務所に務めているとき、日々の仕事の中でふと建築家としての自身のテーマを考えるようになる。自然素材と空間の関係性について学びたいという想い、これがきっかけとなり渡英。ロンドン、パリで実務を積み、世界的な建築家ジャン・ヌーヴェルのもとで高級メゾンのショー空間設計を手掛けるなど様々なプロジェクトに携わる。帰国後は教育活動に従事。大学の非常勤講師などを務める中で、地域の文化や産業に根付いた環境づくりや建築デザインに携わりたいという思いが芽生え、県内で行われる様々なワークショップに参加する。お互いに海外で実務経験を積み、多種多様な建築設計に関わってきたバックグラウンドを持つことや、既存環境を生かし、地域を豊かにするものを提供したいという同じ志を持つことなどから意気投合。イノベーション・スタジオ・オカヤマの設立に至った。会社設立からわずか半年にも関わらず、現在進行中、または完了したプロジェクトの数は50を超え、建築デザインのみならずビジュアル、プロダクトといった様々なデザインをトータルで提供している。また、子供向けのワークショップの開催や震災孤児の義援金「そうじゃ・宮城っ子基金」を募るイベントを行うなど、活動内容も実に幅広い。「地元の工務店や建築分野における専門家たちとの繋がりを強化することにより、信頼の置けるデザイン力と確かな技術力を掛け合わせ、岡山の住環境を革新していきたいと思っています。単に建物を造るだけではなく、その建築物が街に及ぼす影響を考えることで、地域経済や産業にからむ役割を担っていきたい。従来の建築分野の枠組を超え、デザインの可能性を広げていくことが目標です。そして何よりも自分たちのデザインによって、より快適で楽しくなるというように、ライフスタイルの質を上げるお手伝いができれば嬉しいですね。」と毛利さんは語ってくれた。その会社名に冠したように、「イノベーション=革新。物事の新結合、新しい切り口」を担う存在であり続ける。毛利氏が手掛ける、倉敷から世界を革新するプロジェクトにご期待あれ。